雨と寒さに、心と身体が震えていた。

昼2時起床。慌ててシュガー氏宅を抜けて大学へ。
若干時間には遅れたが、まぁ相変わらず中身の無いゼミだった。
帰宅せずに、真っ直ぐシュガー氏宅へ戻る。すきっ腹でビール1缶消化してテンションを上げる。
4人は俺が来た時点で揃ったので晩飯作りと酒の買い出しへ。俺はしゃもと晩飯作り。
焼きそば。んー、誰でも作れるからナンとも言えないのだが、食べれるものにはなった。
昨夜の失敗(晩飯食いすぎの件)を教訓にして、晩飯も程ほどに酒に手を出す4人。
テンションが高くなりつつ、会話は恋愛トークへ。
で、ここで俺とゆーこりん(シュガー氏の彼女)との会話でしゃもが好意を持ってる相手が段々うっすらと判ってしまう自体に。
そう、この会話から察するに(というかゆーこりんの発言で最早バレバレ)
そのベクトル、俺に向いてるんじゃ……。
で、シュガー氏が俺を外に連れてーの(カッポー化のカミングアウトもこんな感じで学院で先日行われた)。
シュガー氏「で、実際どうなの?」
オレ「え…どうなのって…」
シュ「他に好きな人とかいなんでしょ?」
オレ「いや、そういうわけでもないんだわ…」
シュ「え……マジで?」
といった感じで雨降る寒空の公園で喋ること20分。
決心した俺は戻って今度はしゃもと外に出る。
向こうから先に誤られて動揺したが、こちら側のリアクションをちゃんと伝えたつもり。
つまりは「ごめんなさい」したってことです。
他に気になる人がいる、ということも伝えました(部屋に戻ってから)。
終電を逃し(せざるを得ないじゃん?)、そのままカッポーが先に撃沈しつつ、振った振られた2人が一緒にアニメのDVDとか見てるというおかしな状況だったのでした。
いやでもまさか死ぬまでにマジ告白されることがあろうとは思ってもいなかった。
こんなダメ人間を好きになってくれて本当に嬉しかったわけです。
あぁ、俺も少しは誰かに好意を抱いてくれたりするんだなー、と。
雨の公園で彼女は感情抑えて無理に笑顔作ったり、
でもやっぱり泣かずにはいられなくて涙を流して、
お互い自分のことを妙にけなしたり、
本当に、あぁ、これって「ハチミツとクローバー」じゃん、って思った。冗談抜きで。
彼女が山田で、俺が真山で。あの人が、理花さんで。
嬉しかったけど、痛くて辛い、俺にとっては貴重すぎる経験で。
彼女は「絶対他にも好きな人いるって!ホント、罪な男だわぁ〜」なんてことを言ってた。
そうなんだろうか。でも俺はただの女好きで、嫌われたくなくて必死なだけなんだと思う。
彼女は今まで通りの接し方でも大丈夫なんて言ったけど、純100%の気持ちで遊べることなんてもう無いんだよな、きっと。
それはとても勿体無いことで。
クラスの雰囲気が今までのようにはいかないことも勿体無い。
でもそんな理由で彼女と付き合うのはもっと罪なことで、そのことも伝えました。
「うん、○○君らしいね。そういうところがいいんだよ」と言われた。
「もうね、「げんしけん」の「高坂君」そのまんまなんだもの」とも言われた。
確かに今の今まで彼女の気持ちに気付かなかった鈍感さは似てるけど、それ以外はどうなんだろ。決して似てるなんて思わないんだが。むしろ笹原でしょ、みたいな。
自分の今の気持ち、というものもちゃんと伝えました。
理花さん的ポジションのあの人のこと。
俺と彼女とも同じクラスにいる人物なので、明日から気まずくなりそうな雰囲気。そうならないことを必死に祈ったりするわけだけど、そうはいかないわけでしょ、やっぱり。
部屋に戻って、
4人で喋って、
アニメとか見て、
夜食を食べたりして、
己の鈍感さに後悔しながら、
キシキシ痛む胸を抱えながら、
明日の授業に不安を覚えながら、
午前4時、就寝。